Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




B




「おう。けったいな人形だな!」

 太一の言葉に山波が鷹揚に頷く。

三人三様興味深げに雪姫を覗き込んでいるのを見て、碧が口を開いた。

「ふむ。なるほど」

 顎に手をあて声をあげる碧へ、涼介は尋ねる。

「何がなるほどなんです?」

「碧、何がなるほどなのよ」

 だが、答えを訊くより先にみのりの声と重なった。

弾かれたようにみのりを見ると、彼女もこちらを見て固まっている。

(俺、なんか悪いこと言ったっけ?)

 またどやされるのだろうか、と身構えていると、

碧の面白げな声が聞こえてきた。 

「おや、仲がよろしいですね」

 碧の言葉に涼介は辟易する。

嫌われてるのに仲がよろしいも何もないではないか。

「冗談はよしてくださいよ、碧さん」

 深い吐息とともに告げるのと同時に、みのりが叫んだ。

「なっ! 碧! いいから説明なさい!」

 畳み掛けるように命令するみのりへ、碧がくすりと頬を緩ませる。

「ふふふ。否定するのも一緒とは本当に仲のよろしいことで……」

 愉快げに笑う碧がみのりの鋭い視線を気づき、ふと息を吐いた。

「はいはい、わかりましたよお嬢様。そんなに睨まないでください」

 肩をすくめてみのりを宥める碧を見ながら、

涼介は居心地の悪い気持ちで頬を掻いた。










一つ前に戻る   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析