Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IB




「大丈夫だよ。ほら、かすり傷だから」

 頬をそっと撫でる手に涼介は自身の手を添える。

「かすり傷じゃないわよ。血が出てるのよ!」

 だが次の瞬間、頬をおもいきり抓られた。

「いってー! 何するんだよ!」

 ジンジン痛む頬を押さえながら抗議すると、

みのりがふんと鼻を鳴らす。

「守るって言って怪我なんてするんじゃないわよ!

だいたいあんたに守ってもらわなくたって大丈夫だったんですからね」

 そっぽを向きながらいそいそと立ち上がるみのりに対し、

涼介は眉根を寄せた。

「そういう問題じゃないだろう? 死んだら元も子もないじゃないか」

 頬を抓られたことよりそっちの方が心臓に悪い。

もしあの時打たれていたら。

そんなことを考えただけでみぞおちの辺りがひやりとした。

(頼むからむちゃしないでくれよな……)

 内心で懇願していると、みのりが腰へ手をやる。

「そうよ。死んだら元も子もないのに怪我なんてするんじゃないわよ!」

 どうやら本気で怒っているらしいみのりの言葉に、涼介は目を瞬いた。










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