Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
二
B
「案外、涼介君と合流したら
また目が覚めたりするかもしれませんね」
「はあ? 寝言は寝てから言ってよね」
突拍子もない碧の推論に、みのりは素っ頓狂な声をあげる。
「否定なさるのも結構ですよ。
ですが、雪姫様はお嬢様と涼介君が一緒にいるときに出現したの
ですからその可能性は十分にあると思いますよ」
碧の持論に目を瞠る。
予想もしていなかった可能性に脳が停止した。
何を言えばいいかわからないまま口の開閉を繰り返していると、
目の前を車体の大きな黒い車が停車する。
「みのり様! お待たせして申し訳ございません!」
後部座席から転げるように山波が飛び出てくる。
みのりは、バランスを崩し倒れそうになっている彼の元へ
急いで駆け寄った。
「山波さん、おはようございます。
ちょうど今来たところですから、頭をあげてください」
会釈で挨拶を済ませた側近たちの存在など見えていないのだろう。
山波は下げた頭をそのままに、バッとその場で正座する。
そしてそのまま地面へ額をつけ土下座を始めた。
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