Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
一
D
(本当になんで涼介のお兄さんは知っていたのかしら?)
悶々と耽っていると紅がぽつりとつぶやく。
「裏切り者」
みのりは彼女の口からこぼれ出た言葉にぎょっと目を剥いた。
「裏切り者って、誰かが私たちを裏切ってるってこと?」
「さすが僕の紅だ。なかなかに鋭い!」
恍惚とした表情で紅へ向ける碧を、みのりは訝しげに見た。
「どういうことよ?」
「紅が言ったのは、一番に考えられるものですよ。
ただ裏切りという言葉は、昨日会ったメンバーを仲間だと思っている
側の人間が感じてしまうものですからねー」
碧の奥歯にものが詰まったような言い方に
みのりは首をひねる。
「つまり?」
さっさと結論を言いなさい。と、
視線で促すと碧は肩を竦めて見せた。
「お忘れですか?
黄金梅を実らせても願いが叶うのは1つかもしれないのですよ。
しかも、どうやって黄金梅を実らせるかも手探り状態の中、
人手が必要だと思ったからこそ新たな協力者を
加えることにしたのではありませんか」
噛み砕かれた説明にみのりは、
山波を引き入れたときのことを思い浮かべた。
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