Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
IIB
(あれ?)
ずしり、と重い何かが胸に去来する。
(どうして?)
息がし辛い。
意識した以上にショックを受けているらしい自分に気づき戸惑っていると、
野伏間老人が口を開いた。
「満、ここはわしの家だべ。おめーの指図は受けん」
「んだとー!」
不愉快そうにそっぽを向く野伏間老人へ満が食って掛かる。
止めようと一歩踏み出すと、
気配に気づいたのか満とまともに目が合った。
「って、お前、なんでここに……」
目を見開いて固まる満に問われ体温が一気に上気した。
「あ、はい。ええっと、黄金梅のことでご相談に伺ったんです」
話かけてくれたことが嬉しくてたまらない。
半分浮かれ気分で満面の笑みを浮かべ答えるも、満の表情は一変した。
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