Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




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 みのりは満を追いかけるように部屋を出て行ってしまった麻里を

探していた。

これが、人間側の居住区なら放っておいたかもしれない。

だが今、自分たちがいるのは獣人たちが住んでいる場所なのだ。

先程の満のように人間へ悪意を持っている獣人も少なくない。

そんな中を勝手に出歩いて、もしものことがあっては

今後の行動に支障をきたしてしまう。


(まったく小越先生ったらどこへ行ったのかしら!)


 普通であれば教師の麻里が学生である自分を諌める側なはずなのに。

みのりは深く息をついた。


(すぐ追いかけたからそんなに遠くへは行ってないはずなんだけど……)


 辺りを見渡す。

しかし、家を囲うように生い茂る草木が多すぎて

麻里の姿はもちろんのこと野伏間の家すら見えなくなっていた。


(家とかは普通だったけど、

やっぱり獣人の居住区だからなのかしらね?)


 森の中にいるようだ。

みのりはところどころデコボコしている道を歩きながら

視界を遮る葉を掻き分ける。

どこからか微かに声が聞こえきた。










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