Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




G




「だが高松は腐っても梅宮の人間。用心に越したことはない。

様子をできるかぎり知りたいんだよ。教えてくれ。

お前にはたくさんの有能な目があるだろう?」

 雅秋の言葉に麻里は眉根を寄せる。

彼の言っていることはつまり、高松を見張れ、ということだろうか。

(そもそも目って何?)

 首をかしげていると、満が片頬をあげた。

「いいぜ。いい情報を教えてもらった礼だ。

俺の知ってるあの野郎のことを教えてやるよ! 

って言いいたいところだが、すでにあんたに報告したことくれーしか俺は知らねー」

 どこか皮肉めいた満の言葉に雅秋は頷く。

「構わない。頼むよ」

 あっさりと下手にでるところはどこか弟の梅畑涼介に似ている。

荒々しい満に比べて物腰が柔らかく見えるのも、

育ってきた環境が関係しているのだろうか。

(ワイルドな一匹狼と、お坊ちゃん育ちのおじさまってところかしら?)

 だが、涼介と違い裏表がありそうな目をしている。

(満さんはストレートな感じだものね)

 できるならああいうタイプの男性とはあまり親しくなって欲しくないな、

とまで考えて、麻里は頬を熱くする。

(わ、私ったら親しくもないくせに満さんの行動を制限しようだなんて……)

 なんて大それたことを。

(お節介もいいところだわ!)

 反省しなくては、と小さく熱くなった頬を叩いていると、満の声が耳に入った。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む