Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
四
IC
(高松さんを気に入ってるというよりは、
長が気になってるって感じだったけど……?)
何せ満のあとを追いかけて部屋を出ていくくらいだ。
高松との仲を疑っているのは、満の思い込みではないだろうか。
みのりが首をかしげていると、
市長が代弁するかのように同じことを満へ尋ねた。
「ん? 小越君は君のことを気に入ってると聞いているが?」
(そうよね。やっぱり先生は高松さんよりも
長のことが好きっぽいわよね)
しかし、満はそんな甘言には騙されないと言わんばかりに鼻を鳴らす。
「はっ。それはねーよ。
あの野郎に肩を抱かれたって拒否もせずに
受け入れてたってくれーだからな」
「……君は……何を言っているんだ? 大丈夫か?
その目は節穴か?」
市長が信じられないものでも見たかのような眼差しを長へ向ける。
対する満は麻里に気持ちに気付いていないのか、
市長の言葉に不思議そうな顔で応えた。
「は? 当たり前だろう?
そういえば、素直にあんたに従ってるって言ってる弟は
次期当主に惚れてるのか?」
うっ憤を吐き出し満足したらしい。早々に別の話題を口にする。
その内容にみのりは目を見開いた。
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