Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
四
IE
「へー、意外だな」
「意外? どういうことだ?」
心底感心したと言わんばかりに市長を見る満に、市長が首を傾げる。
「いや、血も涙もなさそうなあんたのことだから
裏切られる可能性のある奴がいたら弟でもすぐに
切って捨てるんだと思ってたんでな」
満が手首を上下に揺らしながらからからと笑うと、
市長が苦笑しながら肩を竦めた。
「それは心外だな。俺はあれらのために生きてるんだよ」
「あんたが言うと本当だとしても
ぜってー裏がありそうだって思っちまうよ」
(あれらって家族のためってことよね? 絶対嘘だわ)
満の感想に二人に見つからないよう隠れているみのりも頷く。
その間にも話は続いていた。
「で、その弟は今どこにいるんだ?」
「学園の近くにいるんじゃないかな?」
(学園? 八蜘蛛神社へ向かったんじゃないの?)
携帯を操作しながら応える市長の手元を眺めながら、
みのりは顔をしかめる。
あの中にどんな情報が入っているのだろうか。
きっと自分たちの知らないことがたくさん書かれているに違いない。
みのりは聞き漏らさないよう、息をひそめた。
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