Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IIB




「俺なんかを信じるな!」


 満の苦しそうな悲鳴じみた声が木霊する。


(これからについてはあとで碧たちと相談することにして、

まずは情報収集よね)


 自分たちの思い通りに行動するためには、

相手の思惑を知ることが重要だ。

みのりは考えることを一旦やめ、

麻里と向き合っている満の背中へ視線を向けた。


「俺がお前に嘘をついてるかもしんねーだろ?」

「え、そうなんですか? なら、全部嘘だっていうんですか?」


 大きな瞳をさらに大きく見開く麻里に、

みのりは首をかたむける。


(何の話をしてるのかしら?)


 思考に夢中になりすぎて前後の会話から想像できなかった。

眉間に皺を寄せ、続きを待つ。


「どの話のことだ?」


 しかし満は言葉遊びでもしているのか、

答えをはぐらかすように質問を質問で返した。

それほどまでに麻里との会話を楽しみたいのだろうか。

だが、あれでは何も汲み取ることはできないだろう。

案の定、麻里は分かりやすく言い直してきた。


「高松さんが梅宮の一族だということです!

しかも、満さんと市長が結託してるなんて!

あなたたちは黄梅をどうするつもりなんです!」










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