Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


四


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「煙の話？　蜘蛛の話？

そんなのがあるの？　ぼくがやった面では出てこなかったなー」

　『すごタロ』の話で盛り上がっているらしい。

ゲームというもの自体にあまり興味がない自分としては、

少しうらやましい気がする。

（やってはみるんだけどなんか飽きちゃうんだよなあ）

　ちまちましたイベントばかりに気がいってしまい、

挙句の果てに本編を進めず終わるというのを繰り返してばかりいる。

（あれ？　俺の人生そのものかも……）

　密かに落ち込んでいると丸山の声が遮った。

「あーネタばれしちゃったか！

ごめんなさいね。じゃあ、でてきた時を楽しみにしててね」

　どうやら内容を詳しく話す気はないらしい。

世の中にはネタバレが嫌な人間とそうでない人間がいるが、

太一はどちらだろう。

（丸山さんはネタバレされたくない派なんだろうな）

　くすりと肩を揺らしていると、冴島がぽんと机を叩いた。

「そうそう。その蜘蛛。蜘蛛が大事なんだよ、２人とも」

「蜘蛛が大事なの？　でも先生はゲームしてないんでしょう？」

　若干興奮したように告げる冴島を前に、太一が軽く眉根を寄せた。