Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


六


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「ぴったりだ！」


　きっちりとはめられた蜘蛛入りの玉を見て、涼介は手を打つ。


「これを他の銀杏の木にすれば社が開くんじゃない？」


　野木崎の言葉に涼介は大きく同意した。


「そうですね、他の木にもあるかもしれない。一つずつ探していこう」


　提案すると、野木崎がそれに異を唱える。


「そうね。でもこれで要領も得たし、分かれて探したほうが早いわ」


　さすが野木崎。どこまでも大人な対応である。


「わかりました」


　年長者には従うべし。

涼介はすぐに了承し境内を見回した。


「それじゃ、ぼくは一番遠い、あっちで探してみるね」


　太一が元気よく一番奥に見える銀杏の木へ走り出す。


「ああ。じゃあ、俺はあっちの端のほうに」


　太一とは反対側の奥にある木を指さすと、野木崎が首肯する。


「わかったわ。私は隣の木から探してみるわね」

「はい！　お願いします！」


　２人同時に走り出す。

銀杏の木にたどり着くなり地面を掘り出した。


（なかなか見つからないなあ……）


　地面は硬いし掘りにくい。


（野木崎さんはなんであんなに早く見つけられたんだろう）


　首をかしげながらふと幹を見上げ、ふと思いついた。


（もしかして、穴の一直線上にあるんじゃないか？）


　涼介はすぐに穴を探し、その線上にあたる根元を掘る。

今度はなんなく蜘蛛入りの玉を掘り起こすことができた。

すぐに玉を幹の穴に埋め、次の木に走る。

もう一つの玉見つけ穴へ埋め込むと、

いつの間にか皆で最後の一本に集まっていた。