Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


七


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（彼らが昨日みのりと一緒に行動していた野木崎律子と吉田太一ね）


　彼らはみのりと一緒に黄金梅を実らせるつもりらしい。

そのこと事態も驚いたが、それ以上に一般人に黄金梅の種が渡って

いたことが信じられなかった。これは由々しき事態だ。

代々の当主たちが守り続けてきた大切な実を他の人間の手に

渡らせることはなんとしてでも阻止しなければならない。

今回は次期当主であるみのりがいるから言い訳もつくが、

流出経路の特定は早いほうがいいだろう。


（彼らから種の入手先を聞き出せれば手っ取り早いのだけど……）


　今聞き出すのは得策ではないだろう。

変に探りを入れてみのりに警戒心を抱かせてしまっては

面倒なことになる。ただでさえ、勝手に家を飛び出しているのだ。

これ以上の厄介事は避けなければならない。


（それにしても見合いをしたくないからって

黄金梅を実らせようと考えるなんて）


　突拍子もないことを思いつくものだ。

自分とはまったく異なる思考を持つ娘に、

美都子は呆れ交じりのため息をついた。