Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


七


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　美都子の言葉に涼介は苦笑う。


　 「僕の両親は僕に感心を寄せてはくれませんでしたので」


　自嘲の笑みを浮かべながら説明すると、

美都子の声音が一層優しげなものに変わった。


「……そう。それはとても寂しいわね。

でもあなたが義理の息子になったら

わたくしは義母になるのですからそんな寂しい思いはなくなるわね」


　微笑みを湛えつつ畳み込むような言葉に、涼介は軽い違和感を覚える。


「は、はあ……」


　小さく眉根を寄せ黙り込んだ。


　一体何が言いたいのだろう。

最初は単純にみのりのことが心配なのだろうと思って聞いていたが、

なんとなく違うような気がしてくる。


（何か他に目的があるってことか？）


　美都子の意図を測りかね沈黙を守っていると、美都子が話題を転じた。


「そういえばあなたは紅に会ったことはあるのかしら？」


　紅、といえば、あの獣人の少女のことか。


「あ、はい。お会いしました」


　深く考えもせずに頷くと美都子の瞳が一瞬輝きを増し、

涼介はさらに困惑した。