Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


二


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　太一は見定めるかのようにじろじろと涼介を見る母親に委縮する。


（ど、どうしよう。ママがこんなに怒るなんて……）


　涼介と一緒に謝ればすぐに許してもらえると思っていた。

しかしその予想はものの見事に外れてしまったようだ。


（……お兄ちゃんのせいじゃないのに）


　太一は申し訳なさからしょんぼりと俯く。

頭上から涼介が一美の問いに説明する声が聞こえきた。


「あ、はい。

実は太一君は黄金梅を咲かせておばあさんを笑顔にしたいと

言っておりまして、僕は僕で黄金梅を咲かせる梅宮さんを助けるよう

言われてて、それで目的は一緒なら手伝おうと思いまして……」

「太一！　あんた本気で黄金梅なんて咲かせられると思ってるの？」


　一美の怒声にびくりと顔をあげる。


（早く何か言わなきゃ、お兄ちゃんのせいになっちゃう）


　しかし目を吊り上げ見下ろしてくる母親に太一は何も言えず黙り込んだ。

声は出せなくてもせめて首を縦に振るだけで肯定したということになる。

怖気づいた気持ちを奮い立たせようと拳を握るが、

母親は自分の返答など求めていなかったらしい。

すぐさま、涼介へ怒りの矛先を戻した。