Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


一

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　律子には試しに尋いてみただけで、

知らないと言ってくると思っていた。

それは涼介も同じだったに違いない。

だが、彼女が肯定的な言葉を発したとたん涼介は目の色を変えた。

あまり表情の変わらない青年の豹変ぶりに、太一はびっくりする。

律子の瞳も戸惑い気味に揺れていた。


「でも梅畑くんの先生が研究してるような話じゃないわよ？」

「いえ、たぶん同じだと思います。

教授はただその事実がどこまでかを探求してるわけですから」


　否定をする律子を諭すように涼介が少し早口で説得する。

それでもまだ信じられないのか、

疑わしそうな眼差しを青年へ向けた。


「そうなの？」

「はい。そうです」

（お兄ちゃんがこんなに一生懸命になってるのに、

なんでおばちゃんは話してくれないんだろう？）


　中々語り出さない律子をその気にさせるように涼介が勢いよく

首を縦に振る。

太一はそんな青年を援護するため、律子へ話しかけた。


「どんな話なの、おばちゃん？」

「まだ太一くんにはちょっと難しい話だけど聞きたい？」


　律子が眉を寄せ、少し困ったように聞いてくる。

太一は、やっぱりやめたと言われないように、間髪入れずに首肯した。