Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





E




「わざわざ姿を変えていたのは試練と様子見だ。

主らがわらわを大人にさせるための力があるかどうかの見極めとでも

言えばいいか……」

「では我々は認められたということでしょうか?」


 雪姫の言葉に黙ったまま様子を窺っていた碧が口を開く。


「そうよね。

雪姫が大人になったってことは私たちが認められたってことよね」


 みのりが碧の意見に賛同すると、太一が顔に喜色を浮かべた。


「え、それじゃー黄金梅が実るの? やったー!

ばぁちゃんのために写真撮らなきゃ!」

「ええっと、意味がわからないっていうか。

話についていけないっていうか……」


 今にも駆け回りそうな太一とは違い、

麻里が困惑気味に顔をしかめている。

しかし彼女に説明する者は誰一人いないまま、雪姫と太一の会話は

続いた。


「気が早い童だ。太一、話はちゃんと最後まで聞くことだ」

「はーい!」


 雪姫の言葉を聞いているのか、いないのか。太一が元気よく手を

あげた。その近くで野木崎が素っ頓狂な声をあげる。


「それって、認められてないってこと?」

「まだ途中」


 紅が諌めるように野木崎へジロリと視線を向けた。


「雪姫様が今ここにいるんですか?」


 野木崎が肩を竦ませ後ろへ下がる傍らで、

飛田が目線を彷徨わせている。


「しっ! 飛田君、とりあえず静かにしてましょう」

「う、うん……」


 飛田は恋人に諭され、少し出始めた角を抑えながら頷いていた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む