Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





A




「あ、あの、あなたは本当に梅田のみさんなんですか?」


 伺い立てるみのりの言葉に、涼介は目を瞠った。


「知ってるのかい?」


 尋ねるが、みのりが答えるより先にのみが首肯する。


「はい。私が当代ののみにございます。みのり様」

「え? 当代って……?」


 涼介は混乱した。

生きているはずのない梅田のみが間違いなく生きていて、

しかも「当代」などという言葉を用いている。


(ってことは、なんだ? これって歌舞伎の襲名とかと同じ感じなのか?)


 その割には初めて会うはずの雪姫と随分親しげな気がした。

事態を整理しようとしきりに目を瞬かせていると、

横合いから碧に肩を叩かれる。


「梅田のみは代々名を継ぐときに初代のみの人格や記憶を

すべて引き継ぐんですよ」

「へ?!」


 まさか人格と記憶を受け継いでいるなんて。


(訳がわかんねー!)


 碧の発言に、涼介の頭はパンク寸前になった。










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