Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
六
A
「あ、あの、あなたは本当に梅田のみさんなんですか?」
伺い立てるみのりの言葉に、涼介は目を瞠った。
「知ってるのかい?」
尋ねるが、みのりが答えるより先にのみが首肯する。
「はい。私が当代ののみにございます。みのり様」
「え? 当代って……?」
涼介は混乱した。
生きているはずのない梅田のみが間違いなく生きていて、
しかも「当代」などという言葉を用いている。
(ってことは、なんだ? これって歌舞伎の襲名とかと同じ感じなのか?)
その割には初めて会うはずの雪姫と随分親しげな気がした。
事態を整理しようとしきりに目を瞬かせていると、
横合いから碧に肩を叩かれる。
「梅田のみは代々名を継ぐときに初代のみの人格や記憶を
すべて引き継ぐんですよ」
「へ?!」
まさか人格と記憶を受け継いでいるなんて。
(訳がわかんねー!)
碧の発言に、涼介の頭はパンク寸前になった。
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