Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





IF




 踵を返しかけるのみに律子が眉根を寄せる。


「え、これから、ですか? だって話し合いをしろって……」


 そうだ。まずは話し合いをするべきなのではないだろうか。

黙ったまま律子の発言に首肯していると、太一が小首をかしげる。


「おじちゃん、どうしたの?」


 首をかしげる太一へ向い、思案げな面をしていた善郎が瞳を瞬いた。


「ん? いいや。なんでもない。ああ、なんだな。

みんな歩きながら話し合いすんのも悪くないんじゃないか?」


 善郎の提案に涼介は目を瞠る。

今の今まで自分は関係ないから帰る、とでも言いたそうなほど

無機質な表情をしていたのに。

今のうちに事情を聞いておいたほうが良さそうな気がする。

涼介は善郎の傍へ寄る。

だが、それより先にみのりが一つ手を打った。


「そうね。山波さんの言う通りだわ。

ここでくすぶっても時間を無駄にするだけなら、目的地を目指しましょう」


 決断を下すみのり声が先程よりも明るい。

涼介はほっとしてみのりへ笑いかける。


「みのりさんがそう言うなら俺に異論はないよ」


 そうと決まればさっそく移動だ。

歩きだそうとした時、後方から声がした。










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