Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「ええっと。私たちはこのへんで……」


 おずおずと口を開いたのは芽衣子だった。

そう言えば、彼らにはあまり関係のない話なのかもしれない。

隣に佇む飛田へ視線を移すと、飛田も同意した。


「はい。お邪魔するわけにもいかないので」


 飛田の言葉にのみが小さく吐息する。


「そうですか。それは残念です」


 何故か悲痛な表情で飛田を見やるのみに対し、芽衣子が慌てた。


「ちょ! ええっと、残念なのはわかりましたが、

飛田くんは駄目ですよ。先約がいますから」


 言うなり飛田の前に立ちはだかる芽衣子に、のみが首をかしげる。

驚いたのは飛田も同じだったようだ。


「芽衣子ちゃん?」


 不思議そうに問いかける飛田を、芽衣子が必死で隠そうとする。


(何か勘違いしてる気がするんだけど……)


 よほど飛田が大切なのだろうな。

芽衣子を眺め、ちらりとみのりの様子を窺う。

みのりは何事か思案しているらしく、難しい顔で地面を見つめていた。


(また何か悩んでるのかな……)


 一人で悩むのはやめてほしい。とは思うものの、

自分ではあまり頼りにならないことなのも容易に想像できる。


(碧さんがいるしな)


 彼以上に頼りになる人間もいないのだからしかたがない。

じくじくと痛む胸を押さえ、涼介はみのりから視線を外した。










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