Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「舞が終わると同時に目を閉じておりましたから。ふふふ。

それでは皆様。お取りになられた盃を前にお出しください」


 のみが面白そうに笑いながら指示を出す。みのりは彼女の態度に

少しだけ腹が立ち、じろりと睨んだ。


「わかっていたなら最初に言っておいて欲しかったんですけど」

「それは申し訳ありませんでした。ここまできた皆様ならばすでに

予測していると思っておりましたので」


 それで謝罪をしているつもりなのだろうか。のみはまったく

悪びれた様子もない。

むしろどこか挑発的な態度を示しているようにも見えた。


(何よアレ!

私たちの学習能力が足りていないとでも言いたいわけ)


 みのりは眉間に皺を寄せた。野木崎と麻里も同意見のようだ。

口をつぐみ、のみへ目線を向けている。


(ここは私がガツンと言わなきゃダメよね)


 盃を握りしめ、のみへ向かい合う。しかし、文句を言う前に

涼介が割り込むようにのみへ話しかけていた。


「こう、ですか?」


 みのりは彼の声に勢いよく顔を向ける。そこには、のみの要望

通り素直に盃を前へ出す涼介の姿があった。










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