Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
九
IC
「梅田のみさんと雪姫、あなたたちはどうするんですか?」
みのりは梅田のみと彼女の肩に座っている雪姫たちのそばへ行く。
すると雪姫が梅田のみの髪を掴み、元気よく立ち上がった。
「わらわはのみといるマロ!」
雪姫の発言に、のみが嬉しそうに微笑む。そしてまっすぐに
見据えてきた。
「皆様の気持ちが再度ひとつになるときにお呼びくださいませ。
それまでの間、雪姫様のお世話はわたくしが務めさせていただきます」
「呼ぶ?」
紅が、雪姫を落とさないよう器用に頭を下げる梅田のみへ、
首をかしげる。
「はい。あ、そうでしたね。
こちらをお渡し致します。わたくしの連絡先になります」
持っていた盃と引き換えるように名刺を差し出される。
みのりは、戸惑いながらもそれを受け取った。
「あ、りがとうございます?」
そこには彼女の自宅の電話番号らしき数字と携帯の番号らしき
数字が名前と一緒に記載されていた。
(やっぱり自宅よりは携帯へかけた方がいいのよね?)
みのりがまじまじと名刺を眺めていると、涼介が碧へ近づくのを
目の端で捉えた。
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