Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
三
I@
「は、はあ……そうですか?」
何を言われているのかわかっていないのか、山波が目を瞬かせる。
そこへ意味のない会話に飽きたらしい太一が袖を引っ張ってきた。
「ねえねえお兄ちゃん、お姉ちゃんたちにいつ話すの?」
まさか先程のみのりとの会話を聞いていたのだろうか。
嫌な汗が背中を伝う。
涼介は顔が引きつるのを自覚しながら太一へ微笑む。
「ん? 話すって何を?」
なんでもない体を装って答えると、太一がきょとんとする。
「え? 八蜘蛛神社のことを話すんじゃなかったの?」
「あ!」
心底不思議そうな声で問いかけられ本来の目的を思いだした。
「そうだった!」
涼介はパーカーのポケットへ畳んで入れておいた地図を引っ張りだす。
「皆さん、俺たち八蜘蛛神社へ行ってこれを発見したんです。
ちょっと見てもらえますか?」
躊躇なくちゃぶ台へ地図を広げると、真っ先に高松が興味を示した。
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