Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
三
IA
「どれどれ?」
身を乗りだしてくる高松をみのりが両手で制する。
「ちょっと待って!」
さっと地図をひったくり乱暴に畳んでしまう。
「どうしたんだい?」
驚いてみのりを見やると、間髪入れずに碧が口を開いた。
「申し訳ありませんが、君にはご遠慮していだきたいですね」
高松の肩を掴み、地図を持っているみのりから遠ざける。
「ん? なぜだい?」
不思議そうに高松が小首を傾げる。
(あれ?)
違和感を覚えてみのりに視線を送ろうとした時、
みのりが耳をひっつかんできた。
「涼介、あんた、さっき私の話聞いてなかったの!!」
耳元で小さく叫ばれ涼介ははっとする。
そうだった。
高松が要注意人物であることはしっかり確認済みだったはずなのに。
目線だけを高松に向けると、
メガネの向こう側にある瞳が鈍く輝いた。
(楽しんでるのか……?)
これは相当な曲者らしい。
涼介はみのりに視線を戻し、大きく頷いた。
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