Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
四
D
みのりに期待のこもった目で見つめられ、涼介は内心で呻く。
「いや、全然。君のほうは?」
見栄を張ってもしかたがないので首を左右に振ると、
みのりが肩を落とした。
「私も知らない。古文書にもそんなこと書いてなかったと思うし……」
「かき氷なんて自動のやつしか見たことなかったしなあ……」
腕を組んで考え込んでいると、太一が声をあげる。
「あ、雪姫様が起きてるー!」
雪姫が目を覚ましたことに今気づいたらしい。
それなら彼女に直接訊いてみたほうがいいかもしれない。
提案しようと改めてみのりへ視線を向けると、
またしても紅が割って入ってきた。
「お嬢さまから離れろ」
「あ、はいはい……」
ぐりぐりと間に入り込みながら耳元で告げられ、
涼介は少々うんざりする。
しかたなく半歩だけ位置をずらしていると、雪姫が騒ぎ出した。
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