Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「……碧さん。それ、わざと俺に隠してましたね?

本当に人が悪いんですから。まあ、それもこれも大切なみのりさんのためだと

思ってのことなんでしょうが……」


 すべてはみのりの幸せのためなのだと思うと、

これ以上恨み言を言うわけにもいかない。

わかってはいても、敗北感のようなものが胸に渦巻いていく。


(ちくしょー……)


 敵わないことが悔しいなんて。


 なんておこがましいことを思ってしまうのか。

 唇を噛み締めていると、碧がからかうような視線を投げかけてきた。


「おや隠していたとは人聞きが悪い。

僕は聞かれなかったから答えなかったまでですよ?」


 いつもの碧らしい言葉に涼介は溜め息を吐く。


「いいですよ。どう頑張ったって碧さんには敵いませんから。

もう、本当に、碧さんはみのりさんが大切なんですね」


 この際だ、語尾が皮肉気になってしまうくらいは許してほしい。

いい機会だ。諦めようと決めているのに溢れ出てきてしまうみのりへの恋心を、

この場で粉々に粉砕してもらおう。

覚悟を決めて改めて碧を見やると、彼がくすりと肩を揺らした。










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