Gold Plum

第六章


対峙


〜みのり＆涼介の場合〜


三


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「兄さん、嫌味、世界一」


　視線をあげると、みのりの背後で

紅がグッジョブボーズを碧へと送るのが見える。


「紅、それは褒め言葉なのかい？」


　褒められているとは思うのだが、碧にとっては複雑らしい。


（いつもだったら感涙しそうなのにな）


　碧には碧の想いがあるのだろう。

思うに、紅もみのり以上に成就させるのは難しい相手な気がする。


（もしかしたら、

みのりさんのことが……って可能性もあるからなあ……）


　小さく頭を掻いていると、後方で飛田の呟く声がした。


「か、帰りたい……」

「鹿さん、ダメ」


　飛田の悲痛な願いを紅が一刀両断する。


「うっうっ……」


　かっくりとうなだれる飛田を慰めるべきか悩んでいると、

目前の雅秋が不機嫌そうに口を開いた。


「で？　寄ってたかって嫌味を言うために来たのかな？」

　雅秋の言葉に、涼介は眉根を寄せる。

この後に及んでしらばっくれるつもりなのだろうか。

そうはさせない。

拳を握り締め、雅秋を見据えた。