Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
AI@
(あの2人って昔からああなのかしら?)
碧と市長は2人とも梅八家の人間だ。歳も同じはずだから、
幼い頃から顔を合わせる機会も多かっただろう。
(それにしても市長ったら、奥さんのことになると目の色が
変わるのね……)
そこまで考え、みのりはハッとした。
(もしかして碧と市長、それに市長の奥さんを挟んだ三角関係
だったとか!)
妄想した瞬間、即座に否定する。
(ないわね。だって碧には紅がいたし)
紅が碧の義妹になったのは、12年前。碧は高校生だったはずだ。
その頃から紅にべったりだった彼が他の人に目を向けるはずがない。
(市長と碧って水と油っぽいし、きっとそりが合わないのね)
みのりはそう結論づけた。ふと視界に熟年の夫婦が写り込む。
住込みの使用人なのだろうか。市長の背後で、市長と碧を心配そうに
窺っている。
(使用人の人に山波さんがいるかどうかだけでも聞けたら
いいのに……)
涼介はいまだに、黒服たちに阻まれ家へあがることもできていない。
何か力になれることはないだろうか。みのりが知恵を絞っていると、
紅が勢いよく指をつき出した。
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