Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





IF




(あれ? 俺、今やばい状態にないか?)


 眼前に悪戯っぽい笑みを浮かべた碧の姿が映り、

涼介は慌てて頬を掻く。


「……あーいや、ええっと、なんのことでしょう?

俺、最近ちょっと物覚えが悪くって……」


 もうここはうやむやにして逃げるほうが得策だ。


(これ以上碧さんと話してると、何を白状させられるかしれた

もんじゃないし)


 紅のことを立てに取って、とも考えたが、

誰にも隠している様子はない以上、やるだけ無駄である。


「え、ええっと……? あ、そうだ。

今頃み、じゃなくて、紅さんたち心配してますよね。戻りましょうか!」


 我ながらぎこちなく視線を逸らす。

と、碧が思いのほか乗ってきてくれる。


「おや、そうですね。お嬢様もそろそろシビレを切らしている頃でしょう」

「……よかった……。助かった……」


 胸を撫でおろし本音を呟いていると、碧が肩へ手を置いてきた。










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