Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
IF
(あれ? 俺、今やばい状態にないか?)
眼前に悪戯っぽい笑みを浮かべた碧の姿が映り、
涼介は慌てて頬を掻く。
「……あーいや、ええっと、なんのことでしょう?
俺、最近ちょっと物覚えが悪くって……」
もうここはうやむやにして逃げるほうが得策だ。
(これ以上碧さんと話してると、何を白状させられるかしれた
もんじゃないし)
紅のことを立てに取って、とも考えたが、
誰にも隠している様子はない以上、やるだけ無駄である。
「え、ええっと……? あ、そうだ。
今頃み、じゃなくて、紅さんたち心配してますよね。戻りましょうか!」
我ながらぎこちなく視線を逸らす。
と、碧が思いのほか乗ってきてくれる。
「おや、そうですね。お嬢様もそろそろシビレを切らしている頃でしょう」
「……よかった……。助かった……」
胸を撫でおろし本音を呟いていると、碧が肩へ手を置いてきた。
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