Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





DIH




「『黄金梅の種』を? 涼介が?」


 聞き間違いだろうか。みのりは半信半疑のまま訊ねる。

しかし雅仲は首を縦に振り、肯定を表した。


「そうです。だから祖父は涼介こそが雪姫様本来の願いを成就する

ため、黄梅に欠かせない人物である、と信じていました」

「本来の願い? それはどういう意味ですか?」


 雪姫の願いなど聞いたことがない。梅宮が黄金梅と黄梅を守って

いくことが雪姫の願いではないのだろうか。雅仲から繰り出される

言葉が衝撃すぎて眩暈がしそうだ。それでも必死になって追い

縋ろうとするが、こちらの疑問を遮るように碧が話を戻した。


「それは珍しいですね。つまり、梅畑家では『黄金梅の種』を握って

生まれてくる人間が定期的に存在するということですか……」


 碧の問いに雅仲が小さく頭を左右に振る。


「それは違います。ですが祖父涼蔵は、美都子様のなさりように

憂えておられました。雪姫様の意志はそんなところにはないと。

そしてこのまま進んでしまうことを危惧しておりました」


 『黄金梅の種』を持って生まれてきた人間についての話では

なかったのだろうか。みのりが訝しく思っていると、碧が雅仲の

話を整理するように要点だけをまとめた。










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