Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





EIH




「意外といい人?」

「どうなのかなあ……」

(2人で楽しそうに話しちゃって。涼介のバカ。

さっきと全然態度が違うじゃない)


 顔を戻さず紅と涼介の会話に耳をそばだてていると、

飛田が申しわけなさ気に入ってきた。


「……正直、訳がわからないんですが……」


 困惑を如実に表している飛田の声音にハッとする。

飛田の優しさにつけ込んで、引っ張り回している自分だ。

みのりは鹿の青年へ向き直り、頭を下げた。


「巻き込むような形になってしまってすみません」

「いえいえ。……

それに、今はお義父さんのこともありますから……」


 飛田はそのまま視線を外し、遠くを見つめた。山波のことを

思い浮かべているのかもしれない。みのりも飛田の疲れを

滲ませた顔を眺めながら、物別れになってしまった山波のことを

脳裏に描いた。


「山波さんことか……そうですよね。……はぁぁ。

明日山波さんになんて説得したらいいかしら?」


 考えるだけで気が滅入る。みのりがため息をつくと、涼介が

眉を下げながら話しかけてきた。










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