Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





GIC




「山波さん。私は涼介の言う通りだと思います。

人は変われるし、分かり合えます。現に山波さん自身が

そうじゃないですか。親しい獣人の方がいらっしゃる」


 みのりは、山波をじっと見つめながら語りかける。


『人は変われるし、分かり合える』


 黄金梅のことがなかったら、そんな風には思わなかっただろう。

むしろ母親との確執から、人は変われないし分かり合えないと

否定していたに違いない。だが、黄金梅の種を植えたことが

きっかけで、あれほど毛嫌いしていた涼介を好きになった自分が

ここにいる。叶わない恋になってしまったが、それでも幼い頃の

わだかまりも解け今では普通に会話ができるほどだ。

こんなふうになるなんて、家出をする前は想像もしていなかった。


(私が変わったんだもの、山波さんだってきっと……)


 獣人の長老たちのことを思い出しているのだろうか。

山波が呻くように言葉を詰まらせる。


「う……」

「みのりさん……」

「鹿さん、今!」


 涼介に名前を呼ばれたような気がし、彼を見る。しかし飛田へ

合図を送る紅の声に、みのりは涼介から鹿の獣人へ目線を移した。










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