Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CIII@
玄関から扉の開閉音が聞こえ、涼介は背もたれに身体を預けた。
あそこまで立て続けに話したのは初めてだったかもしれない。
(手、震えてるし)
興奮していたからなのか、それとも恐怖していたからなのか。
(怖いって思ってはなかったかもな)
今までだったらあそこまで長兄に言い切ることができたかどうか。
涼介はこっそり斜め向かいのみのりを見遣る。
彼女は隣の紅と何やら微笑み合っており、
こちらの視線には少しも気づいていないようだった。
「ずいぶんと面白い展開になりましたね」
碧が楽しげな様子で言葉を紡ぐ。
「勝手をしてすみません」
碧へ向かい頭を下げるとみのりが会話に入ってくる。
「本当よ。でも、涼介すごいじゃない。あんな風に市長を追いやるなんて」
「市長、タジタジ」
女子2人に褒められ涼介は頬が熱くなるのを感じる。
「いやあ」
誤魔化すように頭へ手をやると、隣にいた雅仲がいや、と肩を叩いてきた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|