Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIIIB




「そ、そんなことより、私たちもそろそろお暇しないと

いけないわね。山波さんに電話しないとだし」


 みのりの言葉を聞き、涼介は我に返る。


(そうだ。そっちのほうが今は大事だ)


 涼介は一つ頷き、みのりの両目を見つめた。


「それなんだけど。

俺も山波さんの返事一緒に聞きたいんだ。駄目かな?」

「え? でも」


 みのりが時計を見る。

確かに山波へ連絡を取る時間までまだずいぶんと間があった。


(けど、どうしても彼の決意を聞きたいんだ)


 責任があるから、だけではない。

もし彼がみのりの側につくと決意してくれたその時は、

自分も己の想いをみのりへ伝えよう。雅秋と相対しながら決意を固めていた。


(振られたとしても俺が彼女を好きなことには変わりないんだから)


 テーブルの下で拳を握り締めていると、碧が相の手を入れてくれる。


「いいじゃないですかお嬢様。

涼介君が一緒にいてくれた方がそのあとの 予定も立てやすいですし」


 碧の提案に計ったかのようなタイミングで雅仲が入ってくる。


「よかったら、もう一泊されてはどうです?

愚弟もどうしてもって顔してますし」

「それはとてもありがたいご提案ですね。

お嬢様、ここはお言葉に甘えさせてもらいましょう」


 どんどんと話を進めていく大人組を前にみのりが瞳を瞬いた。










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