Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CCIG




「忠信さま? まさか、忠信って私の兄の梅宮忠信ですか?」

「はい。そうです。みのり様のお兄様ですよ」


 雅仲の答えにこの場にいる全員が唸る。

冴島教授や忠信様までが関与していたとは。

世の中って案外狭いんだな、と感動しながらも、

話が明後日の方向に進み出していることに、

涼介は少々苛立ち始めていた。


「それはすごいですねー」


 感嘆する碧に雅仲の顔面がさらに緩む。

よほど嬉しいのだろう。

だが、今はそれどころではないのだ。

自分にはやらなくてはならないことがあるのだから。


(一瞬目的を忘れるところだったけど……)


 このままではせっかくの決意が鈍ってしまう。

そうなる前にこの場を収めよう。涼介は話を畳むべく、声を張った。

「へー! そうだったんだ。それすごいな。あとで話聞かせてよ。


……それよりみのりさん。ちょっと話があるんだ。

ちょっと来てくれないかな?」


 むりやり話を本題へ戻してみのりを見遣る。

だが、彼女はこちらの言葉が耳に入っていないのか、

紅茶の残りをぼんやりと見つめていた。










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