Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CDIH




「今さら隠さなくたっていいわよ。

たしかに言い出しにくいことかもしれないけど……」


 涼介の視線から逃げるように、顔を逸らす。

だが彼は、こちらの意を返すことなく攻め寄ってきた。


「隠すとか隠さないとかじゃなくて!

つまり、つまり俺が言いたいのは……!」

「だからもういいってば!

話がそういうことなら私はもう家の中に戻るわね」


 みのりは、なおを続けようとする涼介の言葉を遮った。

そのまま踵を返そうとした時だ。


「君が好きなんだ!」


 後ろから聞こえてきた叫びにも似た声に、足がとまった。


「……え?」


 今彼は何と言ったのだろうか。みのりが瞠目したままでいると、

涼介がまっすぐに見据えてくる。


「俺は、君が、好きなんだ」

「な、何を言ってるの?」


 訳がわからない。だが確かに、涼介は自分のことを好きだと言った。

そういう風には聞こえなかったが、人間性が好きだということだろうか。

みのりはまとまらない思考に顔をしかめる。

涼介が慌てた様子で捲し立ててきた。


「な、何って……。そりゃ、俺は君より年上だし、碧さんより頼りない

かもしれないけど。でも俺は君のことが好きで、大切なんだ」


 涼介がじっと見つめてくる。その瞳は真剣そのもので、微かに

潤んでいるようにも見えた。










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