Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CEID
(本当は君が嫌がることだけはしたくなかったけど、
もうしかたない)
この鈍感なお嬢さまにきっぱりはっきりと
自分の想いをわからせてやるのだ。
本当はさりげなく振ろうとしてくれたのかもしれないが、
そんなことされても嬉しくもなんともない。
(ばっさりと振られてやろうじゃないか!)
腹は決まった。
涼介はひと思いにやってくれ、とばかりにみのりへまた一歩踏みだした。
「俺は梅宮みのりっていう女の子が好きなんだ。
初めて出会った時からずっと、君だけを想ってきたんだよ」
みのりへ近づき、彼女へ手を伸ばす。ぐっと腕を握り締めると、
みのりが激しく目をしばたたいた。
「え? 待って。ちょっと落ち着きましょう」
この後に及んで何を待てと言うのだろう。
(冗談じゃない!)
これ以上うやむやにされてたまるものか。
涼介はいいかい、と落ちつきをなくしたみのりの瞳を覗き込んだ。
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