Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CEID




(本当は君が嫌がることだけはしたくなかったけど、

もうしかたない)


 この鈍感なお嬢さまにきっぱりはっきりと

自分の想いをわからせてやるのだ。

本当はさりげなく振ろうとしてくれたのかもしれないが、

そんなことされても嬉しくもなんともない。


(ばっさりと振られてやろうじゃないか!)


 腹は決まった。

涼介はひと思いにやってくれ、とばかりにみのりへまた一歩踏みだした。


「俺は梅宮みのりっていう女の子が好きなんだ。

初めて出会った時からずっと、君だけを想ってきたんだよ」


 みのりへ近づき、彼女へ手を伸ばす。ぐっと腕を握り締めると、

みのりが激しく目をしばたたいた。


「え? 待って。ちょっと落ち着きましょう」


 この後に及んで何を待てと言うのだろう。


(冗談じゃない!)


 これ以上うやむやにされてたまるものか。

涼介はいいかい、と落ちつきをなくしたみのりの瞳を覗き込んだ。










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