Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CEIF




 涼介の勢いに圧倒されてしまったが、これは本当に現実なのだろうか。

みのりは彼からの告白に頭の中が沸騰しそうだった。


(とりあえず落ち着きなさいみのり。話はそれからよ)


 自分に言い聞かせながらゆっくりと呼吸を繰り返す。

風に揺らぐ草の音が、やけに大きく聞こえるほど辺りは静かだった。

その間にも涼介からの視線を痛いほど肌に感じた。

顔が発熱したかのように熱い。

みのりは、ちらちらと彼を窺いながら話を切り出す。


「え、えーと。ありがとう……

その、えっと、なんていうか確認なんだけど……

本当に紅と付き合ってないの?」

「付き合ってないし、会話もほとんどしたことない。

よく睨まれたりはするけど」


 肩を竦める涼介に、再度問い返す。


「見つめ合ってるの間違いじゃなく?」

「見つめ合いたい人間なら今目の前にいるだろ?」

「ひゃ! 私?」


 涼介から熱のこもった眼差しを向けられ、飛び跳ねた。


「他に誰がいるんだよ」

「そ、そうよね。あは、ははははは…………ありがとう」


 言い切る涼介に、みのりはもじもじしながら俯いた。










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