Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CEIF
涼介の勢いに圧倒されてしまったが、これは本当に現実なのだろうか。
みのりは彼からの告白に頭の中が沸騰しそうだった。
(とりあえず落ち着きなさいみのり。話はそれからよ)
自分に言い聞かせながらゆっくりと呼吸を繰り返す。
風に揺らぐ草の音が、やけに大きく聞こえるほど辺りは静かだった。
その間にも涼介からの視線を痛いほど肌に感じた。
顔が発熱したかのように熱い。
みのりは、ちらちらと彼を窺いながら話を切り出す。
「え、えーと。ありがとう……
その、えっと、なんていうか確認なんだけど……
本当に紅と付き合ってないの?」
「付き合ってないし、会話もほとんどしたことない。
よく睨まれたりはするけど」
肩を竦める涼介に、再度問い返す。
「見つめ合ってるの間違いじゃなく?」
「見つめ合いたい人間なら今目の前にいるだろ?」
「ひゃ! 私?」
涼介から熱のこもった眼差しを向けられ、飛び跳ねた。
「他に誰がいるんだよ」
「そ、そうよね。あは、ははははは…………ありがとう」
言い切る涼介に、みのりはもじもじしながら俯いた。
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