Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
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みのりたちは、梅畑雅仲の家で朝食をとったのち、
家主である雅仲へ暇を告げ外に出た。
(なんだか空がいつもより澄んでいるみたい)
それどころか草木や建物すらも心なしか輝いているように
見える。万全の体調だからだろうか。
(あ、ここって昨日……夢じゃないのよね……?)
みのりは昨夜この場所で言われた涼介の言葉を思い出した。
体温が上昇する。まさか彼から告白をされるとは想像もして
いなかった。一晩経った今でも実感がわかない。それでも緩む
頬に、みのりは眉間に皺を作り誤魔化した。
(こんなんじゃ、みんなに変に思われちゃう)
幸いにも本宅から出てきた市長と高松の登場で、こちらには
視線が向けられていない。今のうちに平静を取り戻さなくては。
「やっぱりどうあってもついてくるつもりなんですね」
涼介がげんなりとした様子で市長に詰め寄った。
しかしそんな末弟の態度に市長はどこ吹く風といった態で
言い返す。
「当たり前だ。見届けると言ったはずだぞ」
「俺は興味があるからかな」
鼻を鳴らす市長の隣で高松がのほほんとした口調で答えた。
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