Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
IH
(いくら親しくなったからといっても、野木崎さんたちに
高松さんのことを打ち明けていいわけないものね……)
涼介がためらうのも無理はない。代が違うとはいえ、高松の
存在は梅宮とって隠しておきたいことだ。
(高松さんも高松さんよね。ついて行きたいからって
身内なんて余計なこと言うことないのに)
みのりは涼介のフォローもできずヤキモキした。
だが高松は違ったらしい。それまで碧と対峙していはずの彼の瞳が
キラリと光る。
「俺は姓は違うけど、現当主である梅宮美都子様の腹違いの
姉弟なんだよ」
何を言っても態度を変えない碧よりも御しやすいとでも思った
のだろうか。碧を押しのけるように、高松が涼介たちと向き合う。
彼は攻略相手を野木崎たちへ変えるようだ。
案の定、野木崎と小越は高松の言葉に素直に反応する。
「ええ!」
「そ、そんな! 現当主と高松室長が姉弟だなんて!
それじゃあ黄梅と都の発展のためにっていうのは……」
小越の疑問に高松が鷹揚に頷く。
「もちろん事実だよ。
俺はとにかくどうなるのか見てみたいんだよ。
君たちの決断のその先を、ね」
優しく小越へ語りかける高松の表情は、愛想笑いとは違い
とても柔らかいものだった。
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