Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





AI




(この人もこんな顔をするのね)


 嘘くさい作り笑いしか見たことがなかったから、それが地なのかと

思っていた。だが違っていたらしい。

 みのりが高松への印象にそんな感想を抱いていると、野木崎が

困惑気味に頭へ手をやる。


「えっと、つまりどういうこと?

あの高松さんって人が美都子様の腹違いの弟ってことは、

みのり様の叔父ってこと?」

「……そういうことになりますね……」


 涼介が決まり悪そうな顔で首肯した。それに対し、野木崎は

口を開けたまま固まる。


(まあ、そうなるわよね)


 みのりが心の底から野木崎に同情していると、橋の方から

籠を持った梅田のみが近づいてくるのが見えた。


「皆様おそろいのようで。申し訳ありません。

お待たせしてしまいましたか?」


 涼介が梅田のみの声に反応して振り返る。


「のみさん! いいえ。今来たところですから」


 嬉しげに駆け寄る青年の姿に、みのりは内心でムッとした。


(何よ、あのデレっとした顔!

涼介は私が好きなんじゃないの?)


 やはり彼の顔の好みは彼女のような女性なのだろうか。

 みのりがそんなことを考えていると、案内人である梅田のみの

周りに人が集まり出した。










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