Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





AIH




(高松さんはまったく信じてなさそうだけど、市長の方は

半信半疑って感じかしら?)


 涼介が市長と気持ちをぶつけ合ったからか、市長の表情が

少しだけ柔らかいものになっていた。

 みのりが市長たちを観察していると、野木崎が小越と

コソコソ話す声が聞こえてくる。しかし、彼女たちは内緒話が

できないたちなのだろう。その内容が、少し離れた位置にいる

こちらまでしっかりと届いた。


「その秘密って言っちゃって良かったのかしら?」

「さ、さあ? でもどちらにしてもこのお二方が帰ってくれないと

始まりませんから」


 みのりは、野木崎たちの話へ耳を傾けながら高松へ顔を向ける。

どうやら彼にも小越たちの会話が聞こえているらしい。

小越の、上司の味方をしない発言に、高松の眉がピクリとあがった。


(とめてあげた方がいいんじゃないかしら?)


 今にも小越の元へ向かいそうな高松にハラハラしながら、

みのりは彼女たちを見た。こちらに会話が聞こえていると瞳だけで

示唆できれば。そう思ったのだが、話に夢中の彼女たちと目が

合うことはなかった。










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