Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
IIIIA
「皆さん、ちゃんとつかまっていてくださいね。少し手荒にしますよ」
指示を飛ばす碧に涼介は首肯する。
「はい! お願いします!」
返答するやいなや、碧がさらに速度をあげた。
下り坂を猛スピードで走り抜け、二車線の曲線道路へ出る。
対向車側の山肌は落石防止のためコンクリートで固められており、
進行方向には雑木林が見えた。
(これならなんとか逃げ切れるか!)
前方から目を離さず考えていると、鋭い金属音が車内へこだまする。
銃弾が地面に当たり弾かれたらしい。
ブレーキ音が激しく高い摩擦音を発した。
「きゃあ!」
車体が激しく揺れ、みのりが叫ぶ。
「みのりさん!」
急いで助けようと腕を伸ばすと、紅に思いきり睨まれた。
(しまった!)
涼介は呻く。
隣がみのりでないことを忘れていた。
内心で冷や汗を流していると、
紅が自分に対して見せたのとは打って変わった表情でみのりを見やった。
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