Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





BIA




「了承が得られないのなら帰ったらどうですか?」


 碧は笑顔だ。

笑顔ではあるが、目が笑っていない。完全に怒っている。


(怒髪天まではいってないと思うけど……)


 仲裁に入るべきだろうか。涼介は迷う。

だが、碧の冷えた声に対しハラハラしているのを尻目に、

高松が真っ向から碧の言葉を否定した。


「それはできないよ。だって俺たちは見届ける義務があるんだからね」


 笑顔とともに雅秋へ視線を送る高松に雅秋も同意する。


「ああ。そうだ」


 義務だと。涼介はむっとする。

彼らに今更なんの義務があるというのだろうか。

気がつくと考えるより先に言葉がでた。


「何が義務だよ。邪魔する気じゃないだろうな?」

「そんなことするわけがないだろう」


 そうと言われて納得するわけにはいかない。

少しだけだが解り合えたような気がしたのに。

涼介は大きく吐息する。


「どうだか」


 溜め息とともに告げると、碧に肩を叩かれた。


「まあまあ涼介君落ち着いて。

では市長殿、弟君と話している暇があるのなら雪姫様から

了承をとってはいかがですか?」


 思いもかけない碧の発言に、涼介は一瞬意味を捉えかね目を見開いた。










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