Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





DIC




「それでは皆様、盃を前へお出しください」


 のみの厳かな言葉に涼介は姿勢を正す。


「はい。よろしくお願いいたします」


 答えて盃を前へだすと、のみがお銚子を持ち梅果汁を注いでくれた。


「ありがとうございます」


 一礼すると、後方から高松の落胆したような声が聞こえてくる。


「なんだ。やっぱり俺たちは飲めないんじゃないか」

「致し方ないだろう。決まりなのだから」

 兄、雅秋の宥めるかのような声が聞こえてきて、涼介は苦笑する。


(昨日までの雅秋兄とは別人みたいだ)


 高松のほうはどうにも納得がいかないためか、声に落ち着きがない。


対して兄、雅秋のほうはやたらのんびりした声音だった。


(これで帰ってくれるともっと楽なんだけど)


 そこまで上手くはいかないらしい。吐息している間に、

6人全員へ果汁が行き渡った。


「みなさん。最後の確認です。前回と同じ願いでよろしいですか?」

「ああ」


 涼介は凜としたみのりの言葉へ即座に同意する。

他の5人も口々に決意を口にし始めた。










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