Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
IC
(野木崎さん……ありがとう)
今にもへたり込みそうだった足に力が戻ってくる。
みのりは感謝の意を込め彼女へ視線を向けた。
野木崎の援護射撃を皮切りに、仲間たちが次々と美都子の
言い分を否定し始める。
「獣人、人。獣、動物」
「俺も、かなり違う、と今では思っています」
「そうですよ!」
紅の発言に山波が静かに頷き、小越は両手で拳を作っていた。
それでも美都子はなんの反応も見せず、こちらを見つめ続けていた。
みのりは震える手を握り締めることで誤魔化し、母を見つめ返した。
「みんなの言う通りです。
雪姫だって獣人と人間には対話が必要だと言っています」
「みのりさん……」
気遣うような涼介の声に、目線を向ける。
上手く笑えたかはわからないが、大丈夫だと微笑んで見せた。
優しく見つめ返してくる涼介に小さく首を縦に振ると、
反対隣にいる雪姫の元気の良い声が聞こえてきた。
「そうマロ。分かり合うためには、対話が必要マロ」
「雪姫様のおっしゃる通りです」
梅田のみは自身の肩の上で飛び跳ねる雪姫を微笑ましそうに
眺めていた。
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