Gold Plum

第六章


対峙


〜みのり＆涼介の場合〜


六


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「だ、大丈夫よ。

これで、あなたの言葉が真実だって立証されたようなものなんだから元気だして」


　野木崎が必死に慰めるが、あまりフォローになっていない気がする。


（まあ、ドジを絵に描いたような人だもんなあ……）


　自分の周りにはいなかったタイプの女性だ。

確かに可愛くはある。

だが、やはり自分はみのりのようなはっきりした性格の女性のほうが好みだな、

と涼介は１人頷いた。


「うっ、うぅ、イメージが……。できる女性が夢だったのに……」


　小越の的外れな嘆き声が聞こえてくる。

この後に及んでも他者と自己のイメージにズレがあるようだ。


（なんだかなあ……）


　半ば呆れていると、横澤とかいう獣人が重々しく口を開いた。


「こうなったらしかたない。

おい、正志（ただし）！　やるぞ！　これも俺たちのためだ」


　名を呼ばれた鹿の獣人はほとんど無理やり胸を張った。


「お、おう！　お前ら、覚悟しろ！」


　声が少し裏返っていることからしても、

あまり荒事には慣れていないように見受ける。


「やるぞって何？　麻里さん、彼をとめないと」

「あ、は、はい！　横澤先生！　やめてください！」


　野木崎に言われ慌てて横澤を説得にかかる小越だったが、

横澤が首を縦に振ることはなかった。