Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
D
(やっぱりはぐらかされてないか?)
何をどうやっても確信に辿りつかない。
(聞かないほうがいいってことなのか?)
だがそれでは長兄を改心させるどころか、みのりの憂いも
晴らすことができない。
なんとかして、碧の本心を聞きださなくては。
涼介は無理を承知で正面突破を試みた。
「高松さんっていったいどういう人なんですか?
兄は誰に対しても当たらず障らずって感じの人だとは思うんですが、
線引きって言うと只事じゃないですよね?」
碧を見据えて尋ねるも、彼の様子は変わらない。
飄々とした調子で口を開く。
「そうですねぇ。その質問に答える前に涼介君。
高松のことを梅八家の人間だと言ったのはお嬢様ですか?
それとも君のお兄さんが?」
質問を質問で返され、涼介はこっそり溜め息を吐く。
「俺が直接聞いたのはみのりさんからです。だから詳しいことはわからないのですが、
話を振ったのは獣人の長で、その問いに答えたのが長兄だそうです」
素直に語って聞かせると、碧がしきりに首を縦に振った。
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