Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
E
「そうですか。
まあ、簡単に言ってしまえば彼、高松はこの世に
存在するはずのない人間だったっていうことですよ。
だから君のお兄さんは同じ梅八家だと認めたくなくて
線を引いていたのでしょうね」
どこまでも煙に巻いたような物言いを繰り返す。
このままではいつまで経っても確信に辿りつかないだろう。
だからと言って、みのりとの約束を破るわけにはいかない。
(絶対に誰にも話すなって言われてるしな……)
2人の気持ちをないがしろにせず、真実を知る方法はないだろうか。
(雅秋兄の話に持っていく……とか……?)
思いつき、すぐに内心で首を横に振る。
そんなことをしたらますます碧に誤解されてしまう。
(他に、ほかに方法はないか?)
ない頭をフル回転させるが、いい案は浮かばない。
(限界だ……)
これ以上カードを隠したまま彼と会話を続けることはできない。
無益なことは避けるべきだ。
(すまない。みのりさん……)
涼介は拳を握り締め、声を発した。
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