Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
FI
「止まりなさい!」
美都子が泰然と立ちはだかり高松を見据える。
だが、狂気に走った高松には届かないようだ。
「美都子様!」
雅秋が美都子の前へでようとするが、彼女自身がそれを許さない。
(どうする!)
石など探している暇もない。
(滑り込めば最悪刺されるのは俺だけで済むか?)
間に合えと祈る気持ちで4人の前へ胴体を伸ばすのと同時に、
高松のうなり声が耳をつんざいた。
「うおおおおおおっ!」
渾身の力で美都子ごとみのりを貫こうとしているらしい。
(それは無理だ!)
みのりは無事でいられるだろう。
だが、美都子は確実に高松の餌食になってしまう。
(もっとちゃんと動け! このポンコツ足め!)
もう身体ごと行くしかない。
涼介は決意して、みのりたちの元へダイブを決行する。
だが、やはり数秒遅かった。
「くっ」
美都子が鋭く呻く。
(美都子様!)
慌てて美都子の全身を確かめると、
美都子は高松の手首とナイフを掴んでいた。
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